- 2025-4-17
- イラっとするニュース, 政治
- 世界的に食料価格高騰し国産米の生産余力ある中でなぜ輸入米活用か
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財務省が財政的視点から輸入米の活用を提言した。国産米の価格高騰を背景としての提言だが、その内容は国内農業への影響やこれまでの農政の経緯を無視した内容である点、そして国際的に食料価格高騰する中で海外に食料を依存するという点で大きな問題を孕んでいる。そうした課題の基本的な論点を紹介する。
ココがポイント
財務省は15日(中略)コメの価格高騰を巡り、輸入米の活用を拡大すべきだと提言した。
出典:共同通信 2025/4/15(火)
ただ農家の反対も予想され、実現するかどうかは不透明だ。
出典:読売新聞オンライン 2025/4/16(水)
財政制度等審議会が開かれ、コメの安定供給に向けて輸入米の柔軟な活用を検討すべきだなどの指摘が相次ぎました。
出典:テレビ朝日系(ANN) 2025/4/15(火)
年間で684億円に上る財政負担(中略)、財務省の審議会はミニマム・アクセス米を主食用として活用する量を拡大するよう提言
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2025/4/15(火)
エキスパートの補足・見解
財務省が活用を提言したのは、政府輸入米と言われる年間77万トンのミニマムアクセス米だ。政府は、国際的な貿易交渉の取り決めで国内でコメが余っているのに義務的に輸入を続け国会でも度々問題になってきた。ミニマムアクセス受入時、国内のコメ生産に影響を与えないために主食用としての活用は10万トンを上限とし、さらに主食用に活用した同量の国産米を政府が買い上げ海外への食料援助に回すことが閣議了解として決定され国内農業への影響の回避が行われてきた。財務省はその決定も無視するのか。
国内の水田の4割は、小麦や大豆等に転作されており、コメの生産余力はある。その一方で国際的な食料貿易は不安定化しており、安易に食料を海外に依存できる状況ではない。コメの国際価格も乱高下しており、2022年の輸入米における米国産のコメは国産米より高かったこともあった。国内のコメ生産にこれ以上影響を与えるとコメ農家の離農が進み国内のコメの生産基盤がさらに弱体化してコメ流通と価格に影響を与える可能性がある。主食の安易な海外への依存はリスクがあるという点を検討すべきと言えるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b1d2fc319abc93157260cbaad5ad60178ce61490
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