
■「皇位継承は男系男子に限る」は首相の持論か?
2月27日の衆院予算委員会で、高市早苗首相が、皇室典範改正に向けて「男系男子に限ることが適切とされている」「過去に男系の女性天皇がいたことは歴史的な事実。過去の女性天皇を否定してしまうことは不敬に当たる」「皇位が女系で継承されたことは1度もない」と発言したことが波紋を呼んでいる。
首相発言は、2021年に有識者会議がまとめた報告書に対しての見解から逸脱し、首相自身の見解を述べたのではと受け止められたからだ。
翌日、木原稔官房長官は記者会見で、報告書に沿った皇族の養子縁組を念頭に置いた発言だったと釈明したが、果たしてそうだろうか?
高市首相は、以前から持論として、「皇位継承は男系男子に限る」と主張しきた。保守を自認する立場から、女性天皇は容認してもいいが、女系天皇は認めないとしてきた。今回の発言はその持論がそのまま出たものと思われる。
■国民世論が望む「愛子天皇」を考慮していない
国民世論は、「愛子天皇」を望んでいる。天皇陛下の直子である敬宮愛子内親王が、次期天皇になることを自然だと考えている。しかも、愛子さまの人気は圧倒的に高い。これは、これまでの多くの世論調査が証明している。
よって、憲法が言う、天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意」に基づくとすれば、愛子さまが次期天皇になってしかるべきである。
しかし、高市発言は、このことをまったく考慮していない。考慮していないというより、無視している。すでに決められた皇位継承順位に基づく、秋篠宮家への皇統移転に基づいて発言している。
つまり、高市首相は、愛子さまが天皇になられることを望んではいないと思える。
■保守は日本国、天皇家への愛情、敬意を欠いている
男系男子にこだわるのは、保守と言われる人々の強固な考え方である。「万世一系で男系」であることが、誇るべき伝統であるとし、それこそが世界で唯一とされる皇室の存在価値であり、それを守り続けるのが保守の務めであるとしている。
しかし、それは、血筋こそが最高の価値とする考え方ではないだろうか。天皇が天皇たるのは、男系男子という血筋だけなのか。
男系男子を金科玉条とする保守は、じつは教条主義の罠に陥り、日本国、天皇家への愛情、敬意を欠いているのではないか。高市首相は、本当に皇室と日本国を愛しているのだろうか?
■男系はフィクション、旧宮家養子は無理筋
保守と言われる人々は、男系男子で皇位が継承されてきたことをもって、女性天皇、女系天皇を排除しようとしている。しかし、皇位継承が本当に男系だけで行われてきたかどうかは証明できない。
かつて天皇には側室が何人もいた。明治天皇も5人の側室を持っていた。126代の天皇のうち半数以上が側室の子とされる。平安時代は、男が女の元に通う、通い婚であった。こうしたことを考えれば、男系だけで続いてきたというのはフィクションの可能性がある。男系は伝統というより、むしろ宗教である。
この宗教を続けるため、皇室典範の改正は、旧宮家から養子を迎えることを主眼にしている。これは、なんとしても男系で継ぐというのが目的で、悠仁親王が未婚や男児が誕生しなかった場合に備えようというものである。
いかに、時代錯誤の無理な改正案か、あえて言うまでもない。
■天皇家はなぜ1500年も続いてきたのか?
天皇家の伝統的な価値は、血筋だけにあるのではない。神話の時代を除いて、なぜ、天皇家が学問的に確かな第26代継体天皇から1500年以上も続いてきたかを考えれば、その権威性にあることは疑いようがない。
つまり、天皇は政治的権力とは別の存在、神聖的な権威であり、それゆえこの国の祭祀はすべて天皇家が司ってきた。
時代は変わっても、政治権力は天皇にとって代わろうとはけっしてしなかった。むしろ、天皇の神聖な権威を背景に政治を行うことで、天皇家を存続させてきた。
武士の世の中になっても、鎌倉幕府の北条氏は、摂関将軍、皇族将軍を迎え、けっして天皇とは異なる王朝を打ち立てようとはしなかった。足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康も、みな同じだ。薩長明治政府にいたっては、天皇という権威を復活させて近代国家をつくった。
■優先すべきは国民の敬愛、思慕、崇拝
こうした歴史をかえりみれば、天皇は、この国のまとまり、国体にとってなくてはならない存在であり、その地位は国民の敬愛、思慕、崇拝で成り立っている。けっして、血筋だけではない。
それを理解したマッカーサーは、天皇を処罰することを見送り、新憲法で「象徴」という地位を与えた。
すなわち、血筋よりも優先すべきは、こうした伝統、国民の敬愛、思慕、崇拝であり、それにふさわしい現天皇の直子、愛子さまがいらっしゃるのに、なぜ現政権は、それを無視した皇室典範の改正をしようとしているのだろうか。
高市首相の「過去の女性天皇を否定してしまうことは不敬に当たる」というのは、とって付けたような言葉としか思えない。
このまま、国民世論を裏切るような皇位継承をしてしまうと、日本人の精神は乱れ、国体自体が崩れる可能性もある。
■衆議院選の自民圧勝で皇室典範改正は容易に
先の衆議院選挙で、自民党は圧勝した。数は力である。旧宮家の養子案実現に疑問を呈していた旧立民勢力は力を失った。皇室典範には憲法とは違い、一般の法律であるから、国会議決によって改正できる。
そのため、衆議院議長になった森英介氏も、安定的な皇位継承の議論について「先送りは許されない喫緊の課題だ」と述べて、改正への意欲を見せた。
現憲法の下では、天皇は「国政に関する権能を有しない」ので、自らの進退についても、皇位継承者についても意見を述べることはできない。
天皇がなにを望んでいるかは、推察するほかない。
今回の国会は18日に召集され、会期は7月17日までの150日間となっている。この間に皇室典範の改正も議論される。国会と国会議員は、国民世論の実現に向けて動くべきではないか。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/785ff1e437585311648ada17a1186c39eb2c0889
コメント
この記事へのトラックバックはありません。


【35000mAh大容量・4本ケーブル内蔵】モバイルバッテリー 22.5W/20W対応 急速充電 PSE技術基準適合品 LCDディスプレイ残量表示 最大3.0A出力 iPad/iPhone/Android各種機器対応





この記事へのコメントはありません。