- 2025-12-17
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- 《尖閣有事シミュレーション》中国の海上民兵が尖閣に上陸したらどうなるのか? 高市首相に迫られる「排除のための自衛隊出動」という決断 遅れれば中国軍が本格介入の可能性
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中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射により、さらに緊迫の度を増している日中関係。そんななか懸念されているのは「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる事態だ。 【図解】もしも尖閣有事が発生したら何が起きるのか? 尖閣諸島を巡る攻防戦シミュレーション
本誌・週刊ポストは防衛省・自衛隊の情報分析官や幹部学校戦略教官室副室長などを務めた軍事・情報戦略研究所所長の西村金一氏(元陸自一佐)と元海自一佐の外交安全保障専門家・小原凡司氏(笹川平和財団上席フェロー)の専門家2人の協力で尖閣有事のシミュレーションを行なった。 尖閣有事の発端は、漁民に偽装した中国の海上民兵が、尖閣諸島に上陸するところから始まるという。その後はどうなるのか──。【全3回の第3回】
海上民兵が上陸
ひとたび中国の海上民兵の尖閣上陸を許せば、間髪入れず、中国海警局の船が「上陸した人間たちが最低限、生活に必要な物資を送る」と物資補給に乗り出すことが想定されるという。小原氏が指摘する。 「海上民兵は不法上陸になるが、人道物資の補給と言われると日本は拒否しにくい。緊急避難と言いながら、そのうち恒久的な建物を建て始めるでしょう。
補給も最初は食料などの物資だったのが、建物を建設するための資材や道具、建設機械などを送る。当然、日本政府は厳重抗議するでしょうが、中国は聞かない。 中国は、尖閣は中国の領土と言い張っているから、『主権は中国にあり、日本には抗議する権利はない』と突っぱねるでしょう。そうなると厄介です。日本の対応が緩ければ中国の思惑通りに、尖閣に中国の恒久的な建物が建ち、中国による実効支配に進む可能性があるということです」
海上民兵による不法上陸の段階であれば、日本側はあくまで海上保安庁が警察権を行使して尖閣に上陸した民兵を拘束するオペレーションを行なうことになる。 海保の巡視船には、沖縄県警などの機動隊員からなる国境離島警備隊が乗船しており、武装漁民が上陸した場合は自動小銃やボディアーマーを装備した隊員がヘリコプターで現地に急行し、摘発する。しかし、海警局に妨害され、海保では排除できない状況になれば、その段階で、高市首相は大きな決断を迫られることになる。海上民兵排除のために自衛隊を動かすかどうかだ。 「日本の安全保障法制は、何かあって条件が合致すれば事態を認定するという形にはなっていません。
こういった行動を取る必要があるから、そのために事態を認定しなければならないという建て付けです。この場合、海上保安庁だけでは対応できない、海上自衛隊が出なければならないとなれば、政府は海上警備行動を命じるか、『武力攻撃予測事態』『武力攻撃事態』などの事態認定をしたうえで、海上自衛隊が尖閣に入っていくわけです」
中国軍の”参戦”
決断が遅れれば、自衛隊より先に中国軍が本格介入してくる可能性もある。 『自衛隊は尖閣紛争をどう戦うか』(祥伝社)の著書がある軍事・情報戦略研究所所長の西村氏は、「日本が自衛隊を動かそうとした時に、中国軍が動き出すことを想定すべきです」と語る。 「中国軍が動く場合、まずやるのは夜間に木製でレーダーに映りにくい航空機『アントノフ―2』などで落下傘部隊を尖閣諸島に潜入させ、ヘリボーン部隊も上陸、それと並行して中国海軍の強襲揚陸艦などで本国から上陸部隊を運んで尖閣を完全制圧する。そして尖閣を制圧すれば、奪還されないように最新の南昌級駆逐艦(1万2000トン級)や昆明級駆逐艦などを尖閣周辺に進出させ、海保の艦船を排除するとともに海上優勢を保とうとするはずです」 中国が海保の艦船に爆弾投下して尖閣諸島を軍事的に占領した場合、明らかに「武力攻撃事態」になる。 高市首相はここで再び、自衛隊に奪還作戦を命じるかどうかの判断が問われる。
尖閣奪還作戦
陸上自衛隊には水陸両用強襲輸送車(AAV7)を配備した島嶼防衛専門部隊「水陸機動団」(約3300人)があり、海保や国境離島警備隊とともに尖閣諸島が不法占拠された場合の奪還訓練を何度も行なっている。 どんな作戦になるのか。西村氏が語る。 「自衛隊の尖閣奪還作戦は、早い決断と奇襲作戦が求められる。まずは島内の中国軍対空兵器を無力化し、制空権を握る作戦を行なう。併行して海上優勢の確保。尖閣周辺の中国軍の艦艇を対艦ミサイルで排除します。そのあとは、中国がやったのと同じで、夜間に落下傘部隊を潜入させ、地上を混乱させたうえで、ヘリで部隊を展開させるヘリボーン攻撃。続けて上陸部隊の輸送を行ない、強襲上陸する。
尖閣は無人島ですが、南西諸島には日本人の住民がいる。そのため、中国側は南西諸島の他の島にも侵攻し、島民を人質にとって日本政府と交渉するというオプションが考えられます。その場合、外交交渉の一方で自衛隊が特殊作戦群などを投入して人質奪還などを行なうことになるでしょう」
首相が迫られる決断
高市首相の台湾有事をめぐる国会答弁では、「例えば台湾を統一、完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどのような手段を使うか。(中略)戦艦を使ってですね、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」としていた。しかし、中国が台湾統一よりも先に尖閣に手を伸ばすとなれば、存立危機事態からさらに差し迫った、個別的自衛権の行使に踏み切るかの選択を迫られる。
高市側近が言う。 「総理は台湾有事のみならず、それに先立って尖閣有事が起きるシナリオも頭に入っている。海保や海自がいつどのようなかたちで出るかが尖閣防衛にとって死活的に重要である以上、速やかな決断が下せるよう準備を怠ることはない。そうした事態になった時は国内外から日本政府への支持をどう集めるかも重要になるから、レーダー照射をめぐる事前通告についてのやり取りもその前哨戦として中国側に後れを取るわけにはいかないと認識している」
対する中国は表向き高市発言を批判しながら、裏ではあわよくば高市発言を「尖閣領有」の口実に利用しようと尖閣への攻勢を強めている。 日本固有の領土である尖閣諸島を防衛できるのか。すでに事態は重要局面を迎えている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/192385c89fd8551c46e1d951be5118c68c832994?page=1
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